続・第二回悪魔の宴

というわけで昨日は日記を更新した後、ラーメン屋に向かった。
自動ドアをガーッと開けて店内を見渡し、目的の彼奴らを発見。
巨人は壁を背にし、頭を落として座った姿勢で爆睡していた。
その向かいの通路側には今回救助活動に活躍したカスターと闘魔氏が座り、疲れた顔で「あ・・・」とこっちを見ていた。
二人の前にはラーメンの器が三つ置かれていた。
彼ら曰く。
まず、ラーメンを三人で注文。巨人は普通のラーメンの上に替え玉を注文。こんもり盛り上がったラーメンを前に、「さあ、食うぞ!」と高らかに宣言した次の瞬間、巨人は固まっていた。
そしてそのフリーズから溶けることなく、眠り続けているという。困った彼等はとりあえず目の前のラーメンを食すことにした。まず一人一杯づつ。その後凍った巨人の2倍ラーメンを分けて。その時既に上の替え玉麺はカピカピに乾いて固くなっていたそうな。
そして2杯分食べて満腹もいいとこになった時に私が登場したのだった。
3人で巨人を見ながら話をし、1時間ほど経ったしそろそろ帰ろうか、ということになった。
「帰りますよ」と声を掛けても、「うーーーーん。」と唸るだけの巨人。こりゃまだダメだ、と暫くまた放置しておいた。
しかし、その巨人に変化が・・・。
突然口元を押さえたのだ。
その変化にすばやく対応したのは闘魔氏だった。
食べ終えたラーメンの器を巨人の手元に伸ばした。
間一髪。
巨人のリバースはラーメンの器の中に酸っぱい匂いをさせて収まった。涙を流しながら喉に手を突っ込みふたつめの器に注ぎ込む巨人。そしてその周りで手に手にトイレットペーパーを持ちヘルプにあたる我々。
終わって一息ついた巨人は言った。
「・・・左のコンタクトねぇ・・・。」
目を大きく開けてカスターに見てもらう巨人。
捜索隊出動。
巨人の周りやテーブルの上を探した。
でも、水はもう替えちゃったし、ラーメンの器のアレはトイレに流してしまった。
結局諦めて、外に出た我々。
自転車の鍵を外そうと、鍵を探す巨人。
「・・・あれ?ねぇな・・・。」
再び捜索隊出動。
ラーメン屋の店内に戻り、テーブルの上や床を探す。店の人にも聞いてみた。
見つからず、表に出ると、巨人は自分のポケットの中かどこかに発見したらしく、既に鍵を外していた。

巨人を送らねば、と我々は護送体勢に入った。
闘魔氏が巨人の持つ自転車のカゴの部分に手をかけ、後の部分をカスターが支える。私はカスターの自転車を手に歩いていた。
さながら大きな牛とそれを歩かせる牛飼いたちの様だった。
実際、そうしないと本当に危ないのだ。
ふらふら自転車を持って歩く巨人は広範囲で通行人の迷惑になる。しかもまだ人通りは少なくない。
しかし、ここで巨人はまた予想外の行動に出た。
闘魔氏とカスターの手をどけ、「じゃ、おつかれー」と右手を挙げて自転車に乗り、大きく蛇行しながら行ってしまった。
危ないって!
自転車に飛び乗り、追いかけるカスター。
徒歩なのでそれを見送り、歩いて追う私と闘魔氏。

数分後、我々はカスターと再会した。
「なんとか送ってきたよ。巨人は自転車を溝にはまらせてたけど。」

というようなかんじで、第二回悪魔の宴は幕を閉じたのであった。疲れたけど、面白かった。
翌日である今日、宴を見てしまった後輩に会った。
修士1回生の団結が羨ましかった。」
「人間味あふれていていい。」
「あの中に女性が混じっているなんてすごい。」
などのありがたいコメントをいただいた。

ちなみに私は宴の後30分ほど研究室に戻って日記を更新したりしたのだが、その際に会っ(てしまっ)た先輩に「いやー、先ほどはすみませんでした」といったら、「なんか会う人会う人酒臭かったんだけど」「そういうあんたも酒臭いよ」などといったどうしようもないコメントをいただいた。

そんなどうしようもない宴だったけれど、おもしろかったので、ここに記録し残すこと決定。
この修士一回のまともな人がほとんどいないメンバー、なんだかんだ言って私は好きです。