『坂の上の雲』(司馬遼太郎)

ようやく『坂の上の雲②』を読了。
今日3巻を買ってきた。
明治時代を生きた軍人・秋山兄弟と、俳人正岡子規を軸に、過渡期の明治時代を生きる日本人を描いた物語。
将来企業で管理職や経営者を目指す人には必読らしい。
以前、ビジネス雑誌の大企業の経営者に対する愛読書調査で、ダントツ1位になっていたらしいので。
実際日本の近代史がリアルに理解できるし、人を動かして世の為に働くという事の責任の重大さと、「人間性の尊重」がいかに大切かということが良く分かる。
しかし、現在の日本の状況に疑問を覚えざるをえない。
侵略、植民地化が当たり前のように世界中で行われていた。しかし戦後の今、敗戦国のそれだけが悪として浮き彫りにされる。
文献学を研究する時のルールとして、当時の背景を必ず考慮せねばならないと教わった。どんなに配慮したところで、自分の現在の背景からの影響を必ず受けることとなるであろうがね、と先生は付け加えた。
歴史の問題を取り上げる時は同じ作業をせねばならぬのだと思う。それなしに意見を言うことはなかなか難しいものだ。
しかし、この『坂の上の雲』、2006年の大河ドラマになるらしいけど・・・。