タイ人観察記録(酩酊)

先日、酩酊より電話がかかってきた。
「お願いがあります。」
いつもよく日本語の間違いが無いかのチェックを頼まれていたので、今回もそうかなと思い聞くと、そうではないという。
「実は・・・。」
酩酊は藤木直人主演のドラマ『愛し君へ』がとても好きだった。
最終回は涙が止まらなかったという。
私は先日そのサントラCDがあるかないかをネットで調べさせられた。
そのサントラCDを買おうと、近所のCDショップに意気揚揚と足を運んだ酩酊。しかし・・・。
「なかったんですよぉ〜。お願いします、買ってくださ〜い。」
なんでだー!!!
仕方ないわねこれも日泰親善、と私は近所のCDショップに行った。
かくてCDはそのショップには無く、私はカウンターで注文することにした。二日後には届くという。
二日後なら早いほうだし、酩酊も喜ぶだろうと、私は酩酊に電話を入れた。
あったよ、というと「ほんとー!!」と喜ぶ酩酊。
「あと2日後に来るんだけど。」そういった瞬間、電話の向こうで酩酊が落胆する空気が感じられた。「おそいよ・・・。僕しばらく学校行かないですね。」ため息。
ぶちん。
じゃあ人に頼むなー!!!
軽くキレた私に酩酊は「あなたやさしいよ、頼りになるぅ!」と
精一杯のフォロー。
まったくこのタイ人は。

2日後、研究室にいた私に酩酊から再び電話。
「番茶亜土くんが行きました。」
酩酊は手下を派遣してきたのであった。
酩酊が来ないというからCDを取りに行っていなかった私は、もさもさとCDを買いにショップに行き、戻ってくると可愛そうな酩酊の手下番茶亜土さん(年齢は酩酊より下だが、学年は酩酊よりも上のドクター様)の姿が目に入った。
「ハイ」と彼にCDを渡す。
すると、彼は怪訝そうな目をして、「お金、もうもらった・・・?」と聞いてきた。
いやこれからだけど、と答えると、フウとため息をつき、「酩酊さんだから・・・わからないよ・・・。」と暗く言った。
信用無さすぎだ、酩酊!

そう、昨年度の学会費も酩酊はのらりくらりと払わず、最後は番茶亜土さんが代わりに払うというどうしようもなさだったのだ。
ちなみに集金係は私だった。

そんなこんなで舐められまくっている私。
今回は絶対集金してやる、と息巻いていた。

しかし今日。「学校来てますか?お金払いたいよ。」なんと酩酊からの電話。
行ってみると茶封筒からお金を出し、きちんと払ってくれた。
「心配していたでしょう!?」といわれ、「当然です。あなた前科が多すぎだからね。」とさらっとお答え。
多分番茶亜土さんをはじめいろんな人に言われたのでしょう。
今後とも酩酊のお金に対するモラルが向上することを切に願わずにはいられない。